災害時に強いLPガス|停電でも使える理由と備え方|福山市の大目商店
9月1日は防災の日です。広島県東部にお住まいの方にとって、2018年の西日本豪雨は決して他人事ではない記憶だと思います。地震、台風、豪雨——災害が起きたとき、電気・水道・ガスといったライフラインのうち、実はプロパンガスは最も早く復旧するエネルギーだということをご存じでしょうか。しかも、ご自宅のボンベにはすでに1ヶ月分の「備蓄」があります。防災の日にあわせて、LPガスの災害への強さと、いざという時の正しい対応をまとめました。
LPガスが災害に強い3つの理由
① 分散型エネルギーだから
都市ガスは地下に張り巡らされた導管で各家庭に送られる「集中型」の仕組みです。そのため、どこか1ヶ所でも導管が損傷すると、その先の広いエリア全体で供給が止まってしまいます。復旧にも導管全体の安全確認が必要になり、時間がかかります。
一方、LPガスはボンベを各家庭に個別に設置する「分散型」です。1軒ずつ独立しているため、隣の家に被害があっても自分の家のガスは使えます。復旧の際も1軒ずつ点検して安全が確認できた家から順に使えるようになります。
② 電気を使わずに稼働できるから
LPガスは電力を介さずに独立して稼働します。停電が起きても、ガスコンロは点火できます。カセットコンロのような感覚で、普段どおり調理ができるということです。
ただし注意点があります。給湯器やガスファンヒーターなど、電気で制御している機器は停電時には使えません。お湯は出ませんが、コンロで湯を沸かすことはできます。この違いを知っておくだけでも、いざという時の行動が変わります。
③ 持ち運びができるから
ボンベに充填されているため、必要な場所へ運ぶことができます。避難所や仮設住宅にも迅速に設置でき、炊き出しや暖房、給湯に使えます。導管が届かない山間部や離島でも供給できるのは、この可搬性があるからです。
また、LPガスは品質がほとんど劣化せず、長期保存が可能です。自家発電用の重油は3ヶ月、軽油は半年程度で劣化が始まりますが、LPガスにはその心配がありません。
過去の震災での実績データ
「災害に強い」というのは印象論ではありません。東日本大震災における復旧実績がそれを示しています。
東日本大震災における全面復旧までの期間(LPガスとの比較)
津波で建物そのものが失われたケースを除き、岩手・宮城・福島の被災3県では地震発生から約3週間程度で大方の復旧が完了しました。これは都市ガス・電力のいずれよりも早い時期の全面復旧です。
さらに阪神・淡路大震災では都市ガスが長期停止する中でLPガスによる炊き出しや避難所支援が行われ、熊本地震では移動式のLPガス発電機や炊き出し支援車が稼働しました。災害のたびに、LPガスは生活を支える役割を果たしてきました。
自衛隊などの本格的な援助が入るまでの3日間をどう乗り切るかが重要とされています。東日本大震災では、各地の避難所でLPガスを活用した暖房や炊き出しが行われ、この期間を支えたと報告されています。
「軒下在庫」という備蓄の考え方
ご自宅の外に設置されているガスボンベを見てみてください。2本並んでいるはずです。
これは、ガス切れを起こさないための標準的な設置方法です。1本目を使い切ると自動的に2本目に切り替わる仕組みになっており、その間に配送業者が空のボンベを交換します。
つまり、平常時から常に満タンのボンベが1本、予備として自宅にある状態ということです。これを業界では「軒下在庫」と呼びます。特別な備蓄をしなくても、ご家庭には1ヶ月程度は生活できるだけのガスがすでに置かれているのです。
LPガスがあれば災害時にできること
- ガスコンロで調理・湯沸かし(停電時も可能)
- 温かい食事で体温と気力を保つ
- お湯があれば衛生状態を保ちやすい
- ガス発電機があれば電力の確保も可能
- 復旧が早いため日常生活に戻りやすい
地震のあとに必ず確認すること
LPガスは災害に強い一方で、地震のあとには必ず確認すべきことがあります。安全のために、次の手順を覚えておいてください。
⚠ こんなときは絶対に復帰操作をしないでください
ガスのにおいがする / ボンベが倒れている・移動している / 配管が外れている・曲がっている / 建物に大きな損傷がある / 浸水した
これらに該当する場合は、元栓を閉めたまま屋外に出て、大目商店またはガス販売事業者へご連絡ください。ご自身での復旧は行わないでください。
ガス漏れが疑われる場合の詳しい対応については、ガス漏れに気づいたらすぐすることもあわせてご確認ください。
今のうちにやっておきたい備え
災害が起きてからでは間に合わないことがあります。防災の日を機に、次の点を確認しておきましょう。
ボンベの固定状況を確認する——ボンベは鎖などで固定されているのが基本です。固定が緩んでいたり外れていたりすると、地震で転倒して配管が損傷する恐れがあります。目視で確認して不安があればご相談ください。
ガスメーターの位置と復帰方法を把握する——いざという時に「どこにあるかわからない」では対応できません。家族全員が場所を知っている状態にしておきましょう。復帰ボタンの操作方法もメーター本体に記載があります。
ガス会社の連絡先を控えておく——スマホの電池が切れることも想定して、紙にも書いて保管しておくと安心です。大目商店の3店舗の連絡先は、この記事の下にも記載しています。
カセットコンロとボンベも用意しておく——LPガスが使えるとはいえ、避難所へ移動する可能性もあります。持ち運べる熱源があると選択肢が広がります。
大目商店では、福山市内でプロパンガスの供給を行っています。ボンベの固定状態や設備の点検についてのご相談も承っておりますので、気になる点があればお気軽にお声がけください。定期的な法定点検についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
※本記事の内容は2026年9月時点の一般的な情報をもとに作成しています。復旧実績のデータは日本LPガス協会および資源エネルギー庁の公表資料によります。
ガス設備の点検・災害時のご相談は大目商店までお気軽にご連絡ください。
赤坂SS(ガス部):084-951-2334
山手SS:084-951-7666
曙東SS:084-953-5577
よくある質問
- Q. 停電したらガスも止まりますか?
- A. ガスコンロは電気を使わずに点火できるため、停電中も使用可能です。ただし給湯器やガスファンヒーターは電気で制御しているため使えません。お湯が必要な場合はコンロで沸かすことになります。
- Q. マイコンメーターが遮断したまま復帰しません。
- A. 復帰ボタンを押した後、約3分間はガスが漏れていないかを確認する時間です。この間に赤ランプが点滅し続け、その後消灯すれば復旧完了です。何度やっても復帰しない場合は、どこかに異常がある可能性がありますので、操作を中止してご連絡ください。
- Q. 台風で浸水したあと、ガスは使えますか?
- A. 浸水した場合は自己判断で使用しないでください。給湯器などの機器内部に水が入っていると、故障や事故の原因になります。必ず点検を受けてからの使用となります。
- Q. ボンベが倒れていました。自分で立て直してもいいですか?
- A. 触らないでください。配管が損傷している可能性があり、動かすことでガス漏れを引き起こす恐れがあります。元栓を閉めて屋外に出てからご連絡ください。